サイレンサー(サプレッサー) |
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銃口部分に装着する事で、銃弾発射音の拡散を防ぐ特殊な装置。「消音器(Silencer)」とも呼ばれる。 減音器内にある特殊な吸音材で、爆発音や銃弾が音速突破する際の衝撃音を熱に変えることで、発射音を小さく(鈍く)する効果がある。その結果、相手は音を頼りに射手の位置を特定できなくなるため、隠密行動や非合法な目的のために使われる事が多い。
減音器の役目は主に、減音、マズルフラッシュの減少、加熱した銃身の放熱、である。以外に3つ目の役目は知らない人も多いかもしれないが、発射サイクルが速く銃身が加熱されやすい短機関銃にとっては重要な要素である。また、フラッシュハイダーという、マズルフラッシュの減少に特化したものもある。
減音器内の個々の部屋に発射時のガスを渦巻かせ、冷却して消音する方式は冷戦期のソ連で開発された。当時はスパイ任務などでの狙撃ライフルへの応用が期待されたが、実は発射後の弾丸が飛翔中に音速突破する際の衝撃音までは消すことは出来ないことが判明し、実用化は見送られた。(物体が音速を超えて移動する時、衝撃波と共に爆音が発生する)。 しかし、発射時の爆発音をほぼ消すことは可能だったので、亜音速弾(音速を超えない弾)との組み合わせでその効果を抜群に発揮した。実際にSWATが突入作戦を敢行する際、内部にいる人質を発射音で驚かせ、無用な人的被害を生み出すことを避ける意味でも大切な要素である。
なお、減音器は厳しい規制が敷かれており、アメリカなどでも手に入れるにはライセンスと登録料が必要でお金がかかる上、基本的にサイレンサーは消耗品なので使用する民間人は少ない。映画などに登場する物はすべて減音効果が失われるように細工がされた物。
ちなみに、雑誌などではよく「厳密には“消音”ではなく“減音”なので、サイレンサー(消音器)ではなくサプレッサー(減音器)と言う方が正しい」との記述を見かけるが、近年はほとんど消音することが出来るものも登場しているため、専門家でも特に使い分けはしておらず、明確な境界線はないようだ。 |
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サムセーフティ |
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主にシングルアクション方式のセミオート・ハンドガンに装備されている安全装置。撃鉄が起きた状態で動かないようロックするもの。 |
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自動拳銃(セミオート・ピストル/ハンドガン) |
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弾丸を撃ち出した際の発射ガス(燃焼ガス)を利用して次弾の装填、発射準備を行う拳銃の総称。自動拳銃を大きく2つに分けると、セミオートのみの半自動拳銃と、フルオートや3点バーストが可能な全自動拳銃がある。自動拳銃の多くは前者であり、後者は「機関拳銃」として区別されることが多い。 |
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ジャム |
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ジャムとは「ジャミング」のことで、主にセミオート・ハンドガンやオートライフル等の自動式の連発銃が装弾不良や排莢不良を起こした状態を指す。 |
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シングルカラム |
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セミオート・ハンドガンの弾倉の種類の一つ。弾丸が一列に装填される単列式のマガジン。 |
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シングルアクション |
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射撃の際、ハンマーを起こす必要がある回転式拳銃のこと。自動拳銃だと、ハンマーを起こさないと引き金を引いても発射されない機構を持った銃を指す。トリガープルが少なく、目標への照準と銃の保持に集中できるので命中精度は良くなる反面、何かのはずみで引き金が引かれ暴発する可能性も高くなる。滅多に無いことだが、ハンマーが外に出ている銃の場合、ハンマーとファイアリングピンとの間に異物が挟まることによって弾を発射できなくなることがある。 |
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ストライカー式 |
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セミオート・ハンドガンなどでハンマー(撃鉄)を使わず、スライドに内蔵したスプリングの力で撃針を前進させ、雷管を叩く機構のこと。同じハンマーレスでも、ハンマー内蔵式とは区別される。 |
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ストライクガン |
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格闘用のカスタム・ハンドガン。銃を押しつけた時に振り払われないようにするスパイクのようなマズルガードや、撃鉄を握り込まれないようにするためのシュラウド(ハンマーカバー)などが特徴。
アランジッタ氏デザインのストライクガンが1994年のショット・ショーで公開された以降、いくつかのタイプが発表され、日本ではエアガンメーカーのKSCが商品化している。
映画「リベリオン」のガン=カタ使いや、「ゼロイン」のゼロ使いが用いるカスタムガンのルーツ。2006年公開の「ウルトラ・ヴァイオレット」でも使われている。 |
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セミオート |
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引き金を引くと弾を発射し、自動的に次弾を発射可能な状態にする銃、または構造の事。フルオートと違い、引き金を引きっ放しにしてもニ発目以降は発射されない。
自動小銃や拳銃の大半がこのセミオート構造を採用。またアメリカでは無用な火力を持たせないため、フルオート発射可能な自動小銃や突撃銃も、民間販売時にその機能を殺されセミオート限定で販売されている。 |
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た |
対物狙撃銃 |
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アンチ・マテリアル・ライフルとも呼ばれる50口径(12.7o)の大型ライフル。フォークランド紛争でアルゼンチン軍のとった「12.7o機関銃による長距離射撃」に端を発し、現代によみがえった対戦車ライフルの後継機。 |
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タクティカルリロード |
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撃った弾数を数えながら、弾切れになる前にマガジン交換をするやり方。また、交換後先に使用していたマガジンは廃棄せずそのまま保持する。 |
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ダットサイト(ドットサイト) |
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倍率のないスコープ状の照準器で、レティクル(目盛り)の代わりに光の点や、マークが投影表示される。無倍率のためスコープより素早い照準ができ、複数の目標に次々と照準しやすい。望遠鏡タイプでないスコープ型の照準器は、「光学照準器(オプティカルサイト)」とも呼ばれる。
光源は主にLEDだが、トリチウムや自然光を取り込んで光源とする、電源不要なものも存在する。「ホログラフィック・サイト(ホロサイト)」なども、ダットサイトと同様の効果を発揮する照準機器だが、レーザーホログラフを利用しているため原理・構造は異なる。
また、軍・法執行機関向けのダットサイトの中には、パッシブ式の暗視装置と組み合わせ可能なモードを持つ、上位モデルがある。 大変便利な道具なのだが、実際に使ってみるまではその性能が実感しにくく、取り付けると銃器のフォルムを崩してしまうせいか、日本の作品で登場する頻度はいまのところ低い。いっぽう海外の、主にハリウッド映画などでは定番のアイテムとなりつつある。 ダットサイトはその多くが等倍ではあるが、像を拡大するテレスコーピック機能を付加するテレコンバージョンアダプター等と呼ばれるものがある。主にチューブ型のダットサイトやホロサイトに対応している。マウントによってはフリップ機能がついており、使用の度に脱着することなく使用できる。
ダットサイトの製造メーカーは、スウェーデンのAimpoint(エイムポイント)社や、ホロサイトを製造しているアメリカのEOtech(イオテック)社が、軍用モデルを広く供給していることから日本国内でもよく知られている。
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ダブルアクション |
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ハンマーが起きてなくても、引き金を引く力でハンマーが起き、そのまま発射できる機構を持った銃のこと。薬室に弾が装填されていれば、ハンマーコックなどの余計な動作の必要なくサイトで狙ったまま連射できるため、シングルアクション式の銃より使い勝手が良い。
しかし、ハンマーを起こす力が必要なぶん、シングルアクションよりも引き金を引く距離(トリガーストローク)が長く、かつトリガープルが重いため、ガク引きなどで命中率が低下しやすい。
リボルバーでは特にS&W社がリードをとる形で、スムースなトリガープルを持つダブルアクションを実現し、次第にシングルアクションに取って代わっていった(逆にコルトはこの流れに乗り遅れ、その後の凋落の一因となる)。
オートマチックでもワルサーP38を皮切りにダブルアクションが普及していったが、初弾や不発時以外には特に必要ではないため、シングルアクションを駆逐するまでには至っていない。しかし、メカニズムや安全対策(オート
セフティ)が向上するにつれ、マニュアル セフティを省いてダブルアクションオンリー(DAO)とした製品も増え始めている。
ちなみに、もともとダブルアクションといえばシングルアクションと併用可能なものが普通だったが、ハンマーがコック位置で停止しないDAOの機構が現れると、区別する意味でそれまでのダブルアクションを「コンベンショナルダブルアクション(Conventional Double Action)」と呼ぶようになった(表記上は「DA/SA」とされるのが普通のようだ)。 |
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ダブルカラム |
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弾倉内に弾丸を二列にして並べ、弾倉の長さはそのままに装弾数を増やす収納方法。複列式弾倉。銃身長を伸ばすことなく装弾数を倍ほどに増やせるため、FN ハイパワーに採用された事を皮切りに、現在では自動拳銃、短機関銃、自動小銃の殆どの弾倉で採用されている。
弾倉が太くなるのが難点と云えば難点。 |
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ダブルタップ |
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素早く2発撃つ射撃法。何分の一秒かの間隔で射撃し、1発目の直後に標的への微調整を行う。 |
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ダムダム弾 |
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弾丸の先端を金属などで覆わず、芯となる鉛を露出させたライフル用の弾薬。弾頭には十字の切れ込みが入れてある。鉛は命中すると切れ込みに沿って裂けるため、人体に大きなダメージを与える。 |
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チェッカリング |
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チェッカーとも呼ばれる。グリップに彫り込まれた網目状の溝で滑り止め効果がある。通常は木製グリップやフォアエンドなどに彫り込まれたものを指すが、樹脂製のグリップにもチェッカリングを持つものがある。 |
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通常分解 |
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銃の普通分解のこと。銃の分解において特別な工具を使用せず、現場(フィールド)で行える範囲のものを指す。フィールド・ストリッピングともいう。 |
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ディレイド・ブローバック |
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2分割されたボルトに組み合わされたローラーがロックとなり(ローラーロック)、弾丸が銃口を飛び出すまでボルトの後退を遅らせるシステム。ローラーの抵抗によって爆発圧を下げ、一定の発射速度を保つと共に、射撃時のリコイル(反動)が小さく、連射を行っても他の短機関銃よりも集弾性が良く命中精度が高い。 |
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デコッキング |
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ハンマーが起きている(コッキング)状態から、銃弾を発射することなくハンマーを降ろすこと。
ガバメントの時代、一度コッキングした状態から銃を携帯するためにハンマーレストの状態にするにはハンマーを指で押さえながらトリガーをゆっくり引く必要があった。弾が装填されている状態でデコッキングするのはプロでも緊張する一瞬で、特に寒い地域では手袋で滑りやすいので暴発の危険が高かった。そこで登場したのがデコッキングレバーで、これによってハンマーを安全な位置にまで下ろすことが出来る。このレバーがセーフティを兼ねている物も少なくない。現在では多くの公的機関が、正式採用する銃にはデコッキングレバーの取り付けを条件に入れている。 |
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トリガーセーフティ |
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トリガー(引き金)そのものをロックする安全装置。射撃の際、トリガーに指をかければ自動的にロックが解除される。グロック拳銃各モデルやワルサーP99等に採用されている。 |
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トリガープル |
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引き金を引き、撃発させるために必要な力の大きさ。軽いほど引き金が簡単に引けるためガク引き防止の効果が有るが、それだけ暴発の危険性が高くなる。一般に、ダブルアクション式拳銃のトリガープルは重く設定されている。 |
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