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全長 |
重量 |
口径 |
総弾数 |
製造国 |
190mm |
795g |
9mmx19 |
8+1 |
ドイツ |
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ワルサー社は、モデルP38Kを発展させたモデルP5を、警察新制式ピストル・トライアル向けに完成
させた。 P38Kは、警察新制式ピストル・トライアルの要求スペックに納まるように、P38を切り詰めただけ
の短縮モデルだった。 一方、P5は、開発当初から全長が180mm以下になるように設計され、P38Kが、全体
的なバランスを無視して小型化され、実際に射撃してみてもバランスが悪いのに比べ、P5はバランスも向上
している。
P5のハンマー・デコッキング・レバーは、グリップ・フレームの左側面に装備されている。そのレバーは、
スライド・ストップ・リリース役割も持っているが、デコッキング・レバーは、マニュアル・セフティの機能は
もっていない。レバーは、押し下げるとハンマーをデコッキングし、指を離すと自動的に元の位置に戻る。
操作性を考えると、ハンマー・デコッキング・レバーは、スライド側面に装備されるより、フレーム側面に装備
されているほうが望ましい。
P38から始まり、P1、P4、P38Kピストルと、ワルサー社が設計した9mmパラベラム弾口径のピストルは、
スライドに大きなエジェクション・ポート(排莢孔)を備え、バレル上面がスライドからおおきく露出したデザイン
だった。 P5は、バレル全体をスライドがカバーし、小さなエジェクション・ポートを備えた一般的なスタイル
になった。 このスライド形状の改良は、ワルサー社が製造したP38Kが、トライアル中にスライドの破損を
起こし、その耐久性に疑問が出されたことに対する答えでもあった。
トリガー・メカニズムも改良され、即応性に優れたダブル・アクション・トリガーが重視され、前作のP38の
重かったダブル・アクション・トリガーが、スムーズに引きやすくなっている。
フレームは、アルミニウム・アロイ, スライドは、耐久性のあるスチールの削り出し加工で製造された。
生産性の向上のため、バーツの多くは、シート・メタルをプレス加工することで製造した。
P5は、従来のモデルP38シリーズに比べ、全体的な外見デザインが大幅に変わった。しかし、内部の基本
的な構造は、あまり従来の設計と変わっていない。ロッキング・システムは、ショート・リコイル・バレルとプロ
ップ・アップ・ロッキング・ラグ・ロックだ。また、スライド内部の左右に2本のリコイル・スプリングと装備させた
構成も、以前のP38の設計をそのまま継承している。P5は、全く新しい設計によるものではなく、P38、P4を
発展させたアップ・デート・モデルと考えることもできる。
ワルサー社は、ドイツ警察新制式ピストル・トライアルに、このP5を本命として送り込んだ。
初期に製造されたP5のバレルは、P38のバレル基部のデザインに似た、複雑な形をしており、製造に手間
がかかった。後にこのバレルのデザインは、生産性を高めてコストを軽減させるため、製造しやすいように、
より円筒型に近い形に改良された。
加えて、服の下に密かにピストルを忍ばせる必要のある私服警官や、手の小さな女性警官からの要請を
入れて、P5をさらに小型化したP5コンパクトモデルも開発され製品化された。
解説文は、Shooting Tips 様より転載させて頂きました。
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ワルサーP5の解説文は、Shooting Tips 様より転載しています。 |
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