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全長 |
重量 |
口径 |
装弾数 |
製造国 |
135mm |
325g |
.22LR
.25ACP |
6+1 |
ドイツ/アメリカ |
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1968年にドイツのワルサー社が発表した小型の自動拳銃。
もともと小柄なPPをベースに、更に全体をシェイプしたもので、重量はPPやPPKのほぼ半分となり、機構は
PP/PPK同様のストレートブローバックと、ダブルアクショントリガーが組み込まれた。
コルトのベストポケットやジュニアコルトなどの、いわゆる「ポケットピストル」や「マウスガン」と呼ばれる
カテゴリーに属するが、このクラスでコンベンショナル・ダブルアクションは珍しい。同様にDA/SAトリガーを
有するカウンターパート的な銃には、イタリアはベレッタ社製のM21ボブキャットがあるが、こちらの登場は
TPHから10年以上後の1979年である。
スライド及びバレル等、内部パーツはスチール、フレームはアルミ合金製で、PP/PPK同様のデコッキング
/セーフティレバーを持つが、マガジンキャッチはグリップ底部に隠されるようについている。
このサイズでは唯一、リアサイトにウィンテージ(左右)調整が可能なアジャスタブルサイトを持つ。
TPHは発表されたその年に施行されたケネディ法の関係から輸入販売が難しくなったが、その多くは米軍
特殊部隊SEALやCIA等、特殊任務で小型の拳銃を必要とする公的機関のために輸入されていた。
アメリカでも1987年より、当時の代理店だったインターアームズ社が行った。インターアームズ製のTPHは、
ステンレス製だったが、評判が芳しくなかった。 パーツのクリアランスやトリガーの感触が粗雑で、競合する
他社のポケットピストルに比べ信頼性に劣ると云われたのだ。
また、TPH自身に起因する問題もあった。それは余りにも小さなことからくる「バイト(bite/噛み付き)」と
呼ばれる現象である。発砲時に高速で後退するスライドとハンマーが、グリップからはみだした人差し指と親
指の間の肉をおもいきり「噛む」のだ。
ふつう、この噛み付きを防止するためにフレーム後部に大きな反り返りが設けられているが、それでも握り
を高くすると、手の大きなユーザーでは指の間の肉がはみ出すことがままある。もともと小さなPP/PPKでは
特にこうした事故に苛まれるユーザーが続出したようで、銃愛好家からは「ワルサーバイト」というアダ名
まで頂戴している。PPKよりもひとまわり小さくなったTPHはなにをかいわんやである。
TPHは近年までワルサー社のラインナップに名を連ねていたが、現在はカタログ落ちしている模様。
ワルサー TPH 動画
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